快適ライフ 2015年2月号

 

20152月号 大展望のポカポカ低山 静岡市満観峰~

厳しい寒さが続く2月。真冬の今は、低山ハイキングのシーズンです。木々の葉が落ち、空気は乾燥し、展望がとても良くなっているのです。今回ご紹介する山は、静岡市と焼津市の間にたたずむ満観峰(470m)。穏やかな駿河湾からの南風を受け、冬でもポカポカな低山です。

 静岡市街から車で国道バイパスを焼津市方面へ。「道の駅・宇津ノ谷峠」の直前を左折し、川沿いの細い車道へ入ります。その奥の逆川集落の外れが登山口。

 211日のお昼前、そこから私は子ども二人を連れて歩きはじめました。茶畑の道を抜けると、沢沿いの登山道に。この数分間だけで、子どもは「お腹すいた。もう歩けない」と言い出しました。仕方なくいきなりお菓子で小休止。

 その後、森を抜けると再び茶畑。はるか上方まで続く段々畑のそれは、さすが「お茶どころ静岡」と思わされる風景です。茶畑の上は稜線に。そこで道は二手に分かれますが、山頂に続く右へ。出発から30分ほど経ち、誰でも疲れが出始める頃です。下山してきた人が、子連れの僕を見て言いました。

「俺も前に子どもを連れて北アルプスまで行ったよ。頑張って!」

子連れで北アルプスに赴くようなベテラン登山者でも、この山は登りたくなる名山なのでしょう。

 最後は、山頂の斜面をぐるりと旋回するように登って行きます。

「山頂まだ?」と子ども。

「エベレストの山頂はすぐそこだ!」と答える私。

「エベレストなのに雪ないじゃん。って言うか、暖かいし」

「エベレストに登るくらいの気合いで進めば、もう少し、ってことだ」

 そんな会話を交わし、木々のトンネルを抜けると、突然、さえぎるもののない広い原っぱに。南風が体にぶつかってきました。真ん中まで進むと、向こう側に青く光る駿河湾。

そこにあった「満観峰 山頂」の標識にタッチ。標高470m。第一位のエベレストから比べると「標高ランキング」は低いほうですが、「展望ランキング」があればかなり上位に喰いこめるはず。

何しろ静岡市街から日本平に、安倍奥の山々、そして富士山まで望めるのです。お国自慢かもしれないけれど、世界に誇れる風景です。

 この大展望の頂に、子どもの足でもわずか1時間。お昼ごはんに、町で買ってきた焼き芋をリュクからとり出すと、それはまだ温かさが残っていました。

 

 町はずれにある展望の山、満観峰。次の休日にのんびり、お気軽に、出かけてみてはいかがでしょうか。

          (記 大石燃料・本店店長


快適ライフ2月号.pdf
PDFファイル 496.2 KB