快適ライフ11月号

快適ライフ11月号を作成しました。お客様には今週中にお届けします。

~洪水後の感謝祭~

 

凄まじい雨音で目が覚めた106日早朝。慌ててお店の隣の川を見ると、水面が土手までわずか50cm程のこところまで来ているではありませんか。天気予報の予測を超える台風18号の大雨。すぐに洪水対策をはじめたのですが、その時はまさか一日中、泥水と格闘することになろうとは思いもしませんでした。

店頭の商品や書類を2階に上げ、車を知り合いの土地に置かせてもらい……。その間にも全開のシャワーのような大雨は、勢いを弱めません。

 ついに7時過ぎに川が決壊。店の駐車場には、とうとうと水が流れはじめました。石と柵で水の侵入を防ごうとあがいてみましたが「焼け石に水」。いやこの場合は「大水に石」か。

「床下で止まってくれれば」そんな希望はガラガラと砕かれ、店内に水がザバザバと入り込んできました。

 店の前の道は、すでにリアルな川。町は、さながら家から家へ船で移動できる「水の都・べネチア」のようです。しかしそこに優雅さは微塵もなく、さらに増えていく泥水に唖然とするばかり。玄関が、床が、椅子が成す術もなく水没していきます。10時ごろ、机の天板のすぐ下まできたところで、なんとか止まってくれました。

 お昼前に雨が止むと、あっという間に水は引いていきました。午後は泥の大掃除。3年前の東北の津波や今夏の御嶽の噴火に比べれば、こんなものは小さな災害なのかもしれません。しかし朝からの連続作業で誰もが疲弊しきっています。

夕食は近所の方が、お蕎麦を作ってくれました。何もかも泥でグシャグシャに汚れ、冷え切った心と体に、それは本当に暖かくしみわたりました。

 この大雨で市内の多くの場所が床上浸水の被害にあったようです。「歴史的な七夕豪雨よりも酷かった」という方も多くいました。子ども達は、泥の道と化した道を見て「昔の道にタイムスリップしたみたい」と言っていました―。

 

 その2週間後に、弊社では「秋の感謝祭」を開く予定になっていました。

洪水直後は、ため息しか出ないような惨状。どうやってこの泥ゴミを片付ければいいのやら……。それでも、近所の方々や仕事仲間、そしてお客様に助けられ、何とか開催することができました。当日は、まだ家の片付けが終わっていない多くのお客様にもご来場頂きました。

大雨の日、完全に川と化していた駐車場。その場所で綺麗な紅白幕とお客様に囲まれ、恒例のお餅つきができた瞬間は「奇跡」とすら感じました。ここに来て改めて、地域の皆様があってこその弊社なのだと強く感じました。このお返しができるよう、地域に根差したきめ細やかなサービスを行っていければと考えております。