北アルプスへ

以前、ガス器具のメーカーさんや問屋さんとともに、富士登山に挑戦しました。その時、断トツで早く登頂したのが、当店で一緒に働く柴田。普段、忙しく働いているので、休日はゆっくりしているタイプのビジネスマン。そう思いきや富士山で登山熱が入り、休日は、密かに各地の山へ登りに行っていたようです。なんと日本第2位の北岳にも一人で登頂したとのこと。そしてこう言っていました。「1位、2位とくれば3位の穂高岳も登るしかない!!」

しかし北アルプス・穂高岳(3190m)と言えば、登山家が憧れる大岩壁を持つ山。標高は3位ですが、富士山、北岳よりも遥かに難しい山とも言えるでしょう。さすがに単独は厳しく、富士山に登った仲間に声をかけたようです。しかし誰も乗ってこなかった模様。最終的に私(大石)が一緒に登ることになりました。仕事の調整が難しく、7月末に一日の休日を使っての「夜行日帰り登山」になりました。この予定を聞いた富士登山のメンバーは訝しげに「あの穂高ですよ! 柴田さんわかっているんですか?」と言ったそうです。実は私も、そう思っていました…。

 さて当日、早朝530分に登山口の上高地を出発しました。岩肌を縫うように作られた登山道には、慎重に登る人々。そこを私達は一気に駆け上がりました。足が竦みそうになりそうな高度感を気にしないようしながら―。

吊尾根と呼ばれる難所を渡り、山頂に着いたのは10時前。これで1、2、3位の頂を手中にした柴田は満面の笑みを浮かべていました。山頂からは、槍ガ岳や北穂など3000m峰の豪快な山岳展望。さて柴田は次にどの山を目指すのでしょうか。

 下山は思いのほか早く、午後2時に上高地に帰ってくることができました。振り返ると梓川の向こうの岩壁に残雪が輝いていました。数時間前、私たちは、あの山の頂上にいたのです。まさに会心の登山。この集中力を次は「秋の大感謝祭」で使えればと思います。今年はより楽しいイベントを用意して、お客様をお待ちしています。